都市で進化する生物たち

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Dark eyed junco
そういえば、前住地のジュンコも
年々初夏にまでみられるようになってたが、
あれももしや
昨日は結局そこそこ天気がよかった。
そして、今朝
今日は終日曇りとニュースしていた折、
雨降ってた。
さすがのガタウェザー
良い本です。
メノ・スヒルトハウゼン
『都市で進化する生物たち」
”ダーウィン”が街にやってくる
岸由二・小宮繁=訳
”DARWIN COMES TO TOWN"(2018)
by Menno Schilthuizen
面白かった!スヒルトハウゼン博士は日本でもよく知られたオランダの進化生物学者、生殖器官のスペシャリスト。だが、本作は人間がドラマティックに環境を変化させた”都市”の”自然”環境にアジャストし、急速進化している生物についての、所謂総説。”Darwin"はダーウィン博士人物だけでなく、進化速度の単位でもある。1ダーウィンはおよそ1000年に0.1%の増加or減少。タイトルは都市の進化速度のあばれっぷりを感じさせる。
引用されている鳥関係の論文はすでに読んでいたものがほとんどだが、昆虫や植物類は初見のものも多く、フレッシュに楽しかった。先日読んだロソス博士のアノールの話ももちろん出てくる『生命の歴史は繰り返すのか』。スヒルトハウゼン博士のダシャレを日本語訳するのは、本当に大変なことだとも思う。
都市部特有の気象現象も生物に多大な影響を及ぼす、車や列車、人間がハリネズミの毛のように密集して過剰なカロリーを生み出し、その熱が高層建造物群の間に滞る、アーバンヒートアイランド。さらに、あらゆるところに使用されている、石材、アスファルト、金属が日中に太陽から直接、窓ガラスの反射光から間接的に熱を吸収し、夜間にゆっくりとその熱を放出する。住民数が10倍増えるごとに、気温は約3度上昇。さらに都心部には高温の空気柱が立ち上がり、そこに向かって全方向から風が吸い込まれる。空気柱が上昇するにつれエアは冷却され、空気柱に含まれる都市の塵の粒子を核にして水分が凝結、都市型集中豪雨が起きる。
島嶼生物地理という生態学理論の説明。騒々しい環境での鳥のさえずり変化の調査。エピジェネティクス。都市では男らしくないほうがモテる。シーボルトが日本からもちこんだ外来種。都市化研究のフィールドワーク。
たくさんの例がでてくる中から面白いものを挙げると
・ロンドンチカイエカ 地下鉄の構内で進化した蚊たち
路線によって亜種固定されている蚊
・アリとアリ社会に特化して進化した生物たち
特にアリの化学言語は社会的免疫系として機能しているんだが、好蟻性生物のアリへのハッッキング方法が色々あってすごい。甲虫クラヴィガー(Claviger testaceus)は腺から昆虫の死臭を出すことができ、アリ自身に巣内の育児室の食餌場に運んでもらい、アリの卵、幼虫、蛹を食らう。
・有名なマンチェスターのシモフリガの話
・NYC公園のそれぞれで進化しているシロアシネズミ
カビの生えたジャンクフードに発生する菌が生み出すアフラトキシンという発がん性有毒物質を中和する役目を担う通常とは大きくことなるAKR7遺伝子を持っている。さらに、FADS1という高脂肪食の処理をする遺伝子をも持つ。アイソレートされた小さい個体群の進化の例、ハリウッドの高速道路地帯のボブキャット、パリのインコなど。
・ドバトの羽色と亜鉛
・ヨーロッパアワノメイガとトウモロコシコンバイン
・メキシコのメキシコマシコとイエスズメ、タバコの吸い殻で巣の防虫。
・マミチョグ
ロンドン地下鉄の蚊
Why There's a Unique Mosquito Species in the London Underground
『アムステルダムの野生生物』(2015)
De Wilde Stad filmtrailer
トレーラー
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