信仰と官能の宇治十帖

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Greater scaup
宇治川でいちばんよく見た水禽
めちゃかわいい!

宇治川
なんといっても浮舟が入水するシーンが
脳内にバーンと出てくる
結構早い流れ!!
この流れに十二単着用で入ったら、
無理やな、沈む未来しか見えん。
現在の宇治橋は1996年製長さ155.4m、幅25m
昨日も書いたが宇治橋は何度も流されている。最初に架橋されたのが646年(伝)、「山崎橋」「瀬田の唐橋」「宇治橋」で日本三古橋。この3橋が日本で一番古い橋と言われている。
そう、全部同じ川、s.l.淀川。瀬田の唐橋についてはまた後日言及するが、琵琶湖から出てすぐのあたりの橋。山崎橋は宇治川の石清水八幡宮のほとり、八幡市橋本から大山崎町にかかっていた。度々流され、最後に復元されたのは豊臣政権時代で、その頃にまた流され、以来再建されていない。

宇治橋西詰には紫式部の石像と
石碑がいくつか見える。
夢浮橋古跡、とある
宇治十帖は古来から、
実は二次創作である、という説があり続けている
たしかに、源氏メインパートの光源氏の生涯の正編と
薫と匂宮がメインの続編では、かなり趣が違ったり、
スタイルが違ったりするというのもあって、
なんとも正解が今のところ出ていない。
しかし、現代作家でも、なんかの契機でスタイルが
変わることもあるし、原本が失われて
全て写本であるゆえに、だれもなんとも言えん。
ともかく、諸説あるが、
正編の桐壺から須磨12帖は未婚時代に構想はできていて、
夫と死別後に桐壺から須磨までを完成。
さらに明石から藤裏葉21帖、若菜上から幻までの8帖
と、正編すべて書き上げてパブリッシュし、
内輪以外にもバズり始めたところで道長に引き抜かれ、
超VIPたちにも表立って読まれるようになり、
ファンも爆増する。
で、
宮仕え中に続編を書いたと思われる(紫式部が作者として)
なんちゅうても、
すさまじきものは宮仕え(by清少納言)ですよって、
宮仕えで、紫式部も”宮”の色々をリアルに実感して、
人生観変わってしもて、
でてきたんが、宇治十帖なんかいな、、と
私的には思うわけですな。
紫式部日記に1010年には、スランプというか、
もう物語は書けない(燃え尽きたか?)
というような叙述があるので、
燃え尽き詐欺でなかったら、
本当にこの時期完結と言うことになるかと思う。
で、
浮舟
多分、平安女性のファンタジーだったんだと思う。
身分が低い女性が、超絶美形で身分の激烈に高い、天が惜しげもなく全てを与えたような男性2人に愛され、取り合いになるっちゅうね、、。古今東西恋愛脳女子の典型的な憧れの1スタイルなんではなかろうか。現在の創作でもベタといえば、ベタだが飽きられることなく使われる設定でもある。
そして、
私のために、ケンカされるぐらいなら
私がいなくなればいいと、自分を犠牲にする
というのもまた、ベタなファンタジー
浮舟も、宇治川に身投げする直前に
めんどくさいほど、自殺シグナルをはっしまくる。
寺へ人遣りたるほど、返り事書く。
言はまほしきこと多かれど、つつましくて、ただ、
「後にまた あひ見むことを 思はなむ
この世の夢に 心惑はで」
誦経の鐘の風につけて聞こえ来るを、つくづくと聞き臥したまふ。
「鐘の音の 絶ゆる響きに 音を添へて
わが世尽きぬと 君に伝へよ」
ていうか、、
紫式部が作り出した、恋愛における
超絶ベタ設定というのは
現代でも脈々と使われ続け、現存女性たちの
憧れ設定でありつづけるというのがすごいわな。
紫式部がすごいのか、
恋愛脳に進化がないだけなのか、
存外、ミトコンドリアかなんかに
支配されてるんかもしれないけども、
やっぱり、すごいって
思うのだった。

朝霧橋
宇治橋の南になる結構あたらしい橋で
平等院から宇治神社に行くのに便利。
朝霧橋の東詰には匂宮にだまくらかされて
小舟につれこまれる浮舟の像がある。
この像、、子供に説明をせがまれたら
私はとても困る(笑)
ていうか、なぜこの場面?(エロすぎるのに)
光源氏が夕顔を廃院に連れていくシーンと
匂宮が宇治で浮舟を連れ出すシーン
この2つは源氏物語の中でも
奥ゆかしさかけらもなくモロ工口(主観)
そしてどちらも先に死があることがまたエグエロい。
様式美すら感じる。
閑話休題
「たちばなの 小島は 色もかはらじを
この浮舟ぞ ゆくへも知られぬ」
ともかく、薫に対して妙にコンペディティブな匂宮
薫が囲ってる”宇治の女”を寝取る気満々で宇治の山荘へやってきて、
浮舟のベッドルームに薫のふりをして忍び込み、合体。
その後、再訪した匂宮は
薫の山荘(多分まだ夕霧の所有という設定)から
浮舟を連れ出し、小舟で対岸のヤサにしけこみ、
2日間ベットシーンのみ
ただれた時間をすごすのだった、、。
元気やな、、
ハーレクイン系キャラ文庫ですな。
この後、薫らにバレて浮舟自殺未遂、という流れになる。
なんせ、正腹の姉の夫(しかも帝皇子)を寝とった状態
匂宮が光君の悪いところを見習ってやんちゃなのと、
薫がめんどくさいのと
浮舟の身分が低いのが
主たる原因ではあるんだが、
それにしてもなぁ、、
匂宮(顔が神)にパッショネイトに迫られて、
流されない若い娘がおるだろうか?(いや、無理絶対)
ともかく、取り沙汰される
身分の低さに伴う拒否権のなさ。
なかなか当時の社会問題も描いていると言えるんではなかろうか。
さて
ここで、ややこしくなってきた人用に、
整理しておくと
浮舟は宇治八の宮の外腹の娘。八の宮に認知されていない。大君中君とDNA姉妹だが、身分が低いちゅうことである
宇治八の宮は桐壺帝8番目皇子、光源氏、朱雀帝たちとは異母弟
宇治の大君(薫が惚れている、病弱)
中の君(匂宮の妻)
この2人姉妹は八の宮正妻の子。
浮舟の母はこの正妻の姪で正妻の女房であった中将の君。
源氏物語では”中将の君”はぎょうさん出てくるので巻とコンテキストを理解しぃひんとあかん。
薫は、書類的には光源氏と女三宮の息子
DNA的には柏木と女三宮の息子
女三宮は朱雀帝(桐壺帝第一皇子、源氏の異母兄)の娘
朱雀帝は源氏には、葵上(もともと朱雀帝妃予定)と
朧月夜の君(朱雀帝に入内予定)
どっちもかっさらわれているので、かなりつらい帝。
柏木は夕霧(光源氏の息子)の友人で笛の名手、頭中将長男
匂宮は匂兵部卿宮、今上帝(朱雀帝の第一皇子で冷泉帝の東宮)と明石の女御(光源氏と明石の君の娘、育ての母は紫の上)の第三皇子、三の宮。女一宮とともに、紫の上に養育された。
まあ、そんな
いささか正編にくらべて
陰が深いというか、
デカダンのカホリただようような
憂鬱な美しさの話を思い出しながら、
ものすごく腹がへってきた私。
そうだ、カレーを食べよう(笑)
ベタな恋愛物語なので、
ベタな観光地でベタな食べ物を食べたい
なんか、こってりと、、な(爆)
ちゅうことで、
お京阪の宇治駅隣、
お茶と宇治の町歴史公園へ

茶畑
やっぱり宇治は茶畑を一目みないと
そして、この茶畑のあるあたり、
宇治川太閤堤跡(一部分)なんである。
豊臣秀吉によって築造された、遺構。
この北側には秀吉が築堤した土木遺構をそのまま
復元というか再現したエリアもある。
どうしてもここのカレーが食いたかった(笑)

茶づな
太公堤カレー
あははは、良い!!!
土石流のカレーで
堤をぶっこわして食うていくっちゅうのが面白い。
野菜はディープフライしてあって、
揚げたて熱々だった。
そして、実はカレーを食べる前に

先にデザートを持ってきてもらうという暴挙に
(バカ受けした)
まあ、アパタイザーだと思って欲しい(あはは)
後味がカレーであってほしかった(なんやそれ)
そして、恐れ多いことに
テーブルからは菟道稚郎子尊墓が見え、
菟道稚郎子に見守られながら、
太閤カレーを食うというような、
不思議な状況に。

菟道稚郎子尊(うじのわきいらつこのみこと) 丸山古墳
応神天皇の皇子で、仁徳天皇の異母弟
あちらこちらの史書に宇治天皇と出てきたりもするので、
即位してる説もある。
現在の宇治に「菟道宮」(うじのみや)を営んだとあり、
これが宇治の名前になった、と言う説も。
そして、宇治にウサギが多いのも
菟道(うじ)だから!とかも言われている。
これまた、仁徳天皇に謀殺されたという説があって、
かなりの怨霊ぶり
贅沢通り越して、罰当たりそうで怖い。
そして、
菟道稚郎子は八の宮のモデルとも言われている。
ということで、
菟道の神社にもお参りしてきます。
スズガモ
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